大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)1182 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人清水正雄の上告理由第一点について。

家屋の所有者が家屋の不法占有を理由に求めうべき損害賠償の範囲は、原判決が

正当に判示する如く「特段の事情のない限り右家屋を他に賃貸して収得しうべき家

賃相当の損害を蒙るものと推定すべきで」ある。

本件において、第一審は論旨が(二)で指摘しているとおり、被上告人は本件家

屋を他に賃貸する意思のないことを認定しているが、第二審は右の如き認定をして

はいないので、所論は原判決の認めなかつた事実を前提とする原判示にそわない非

難に帰する。

結局原審認定の事実関係の下においては、原判示の判断は正当であつて原判決に

は所論の違法はない。

同第二点ついて。

原判決が、本件損害金の請求は信義誠実の原則に違反するものとは認められない

とした判断は正当である。なお、論旨の主張する(ロ)の事実は、原審の認めなか

つたところであり、その他の事実が仮りにあつたとしても、右判断を覆すことはで

きない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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